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■セレクトセール2015が終了して

 
7月13、14日の2日間にわたって開催された今年のセレクトセールも無事終了した。2日間で上場馬470頭のうち394頭が落札され、落札総額は131億7350万円となり、落札率は83.8%、平均価格も3344万円に達し、昨年記録した2日開催での売り上げレコードを、本年あっさりと更新した。
 ご購買者の皆様には、本年も多数の上場馬をご購買いただき、誠に有り難うございました。厚くお礼申し上げます。

 7月30、31日の2日間にわたって実務担当者が集まり今年のセレクトセールの「反省会」が行われた。会議では、セールの運営上での問題点を確認し、来年へ向けて改善方針をまとめ上げ、意識を共有する作業が続く。当然のことながら最終的なセリの執行方針は理事会が決定するものの、個々の具体的な事項についてはこの会議で共有された問題点の改善から始まるわけで、このマイナーチェンジの積み上げ作業が現在のセールを形作っている。問題点の指摘は多岐にわたり、活発な意見交換や改善点の提案がなされていくが、来年のセールはこの時点から始まっているといってもよいだろう。
30日の夜は実務担当者の皆さんと「打ち上げ」が行われたが、職場も普段の仕事内容も違う皆さんとの懇親は、来年へ向けての活力作りに大いに役立つものとなった。

 さて、今年のセールで目に付いたのは、去年にも増して海外の方の購買者数、購買頭数が増加し、存在感を増したことだ。本年セールにおいて購買された海外の方の数は11名、購買頭数は22頭、購買金額は6億5700万円に達し、頭数、金額とも全体の約5%を占める。昨年はカタールの王族が、高額馬を中心に大量に購買しトップバイヤーになったこともあって、金額の割合が8%超になったが、それにしても今年の数字からも、世界標準のサラブレッドセールと言えるのではないだろうか。4年前の2011年で見れば、購買頭数4、購買金額1億850万円で全体の1%程度であったことを考えれば、驚くほどの急成長である。
4年前のドルのレートが約80円/ドル、現在が約124円/ドルであったことに思いを巡らせれば、確かに今の日本産馬は「買い」である。5000万円の馬が今40万ドル(4年前は62.5万ドル)に、「圧縮」されてしまい、改めて為替の威力がとてつもなく大きいと感じるのだが、当セール出身馬ジャスタウェイが世界ランキングトップホースになったことをはじめ、日本産馬の海外での活躍により外国人バイヤーの日本産馬への関心が大きくなりつつあること、日本非居住馬主の皆さんの成功例なども追い風となり、去年、今年とセレクトセールへの参入が際立つことになったように思う。
どうも実感に乏しいのだが、世の中は好景気に沸きつつあり、セレクトセールの後に行われたHBA主催のセレクションセールも231頭上場中166頭の売却(売却率71.9%)で、総額19億610万円(平均1148万円)と、大盛況裡に終了した。但し、現在の好景気の要因を考えるに、そうそうこの状況は長くは続かないであろうし、この先を見据えたセレクトセールづくりが大変重要になってくると肝に銘じて仕事にあたりたいと思う。

遠藤 幹

※このコラムは、(社)日本競走馬協会の会報に掲載されている「日高便り」を、協会の許可を得て掲載したものです。