H28.8.26





■セレクトセール2016が終了して

 7月11日、12日の2日間にわたって開催された今年のセレクトセールも無事終了した。2日間で上場馬479頭のうち390頭が落札され、落札総額は149億4210万円を記録した。落札率は81.4%、平均価格も3831万円に達し、2日開催での売上レコードを、6年連続で更新した。
 ご購買者の皆様には、本年も多数の上場馬をご購買いただき、誠に有り難うございました。厚くお礼申し上げます。

 そのセールの概要を振り返ってみたい。
初日の1歳馬の部門では、オーサムフェザーの2015(父ディープインパクト、母は米2歳牝馬チャンピオン)が2億6000万円で落札されたのを筆頭に、計14頭が1億円以上で取引された。2日目の当歳部門では、2億8000万円で2頭が落札された。1頭はイルーシヴウェーヴの2016(父ディープインパクト、母は仏1000ギニー馬)、もう1頭がマルペンサの2016(父ディープインパクト、全兄は今年のダービー2着馬サトノダイヤモンド)という、セール前から高い評価を得ていた2頭が最高額となり、その他全9頭が1億円以上の値をつけ、2日間で1億円以上の取引馬は23頭にも達した。
また今年も、昨年同様に外国人の方の旺盛な購買意欲に満ち溢れたセールとなった。外国人の登録は昨年より増えて24名、うち購買者は11名を数え、購買頭数は18頭を数えた。購買頭数は昨年の22頭より減少したものの、アイルランドに拠点を置く世界最大級の生産団体クールモアグループもセールに参戦するなど、セレクトセールにおける外国人の存在感をまざまざと見せつける格好となった。フランスでのエイシンヒカリ、香港でのロードカナロアやモーリスの活躍から日本産馬が高く評価され、外国人のセール参入が増加基調にあることは間違いないだろう。
セールでの取引状況を眺めると、どうしても高額取引馬に注目が集まりがちとなるが、意外とリーズナブルな取引価格帯の馬も多い。2日間のセールで、売買価格が2000万円以下の取引馬は146頭にのぼり、全取引数の37.4%を占める。その価格帯からもアドマイヤムーン、ジャスタウェイに代表される多数の活躍馬が続々出現しているのだ。リーズナブルな価格帯の取引馬にも、ダイヤの原石は確実にあるのだ。

 セレクトセール運営に携わる者として毎度思うことだが、このセールの成功のポイントは、
1.素晴らしい素材の1歳馬と当歳馬を多数上場し、
2.ご来場のお客様に徹底したサービスを提供し、
3.ご購買後の諸手続きもスムーズに処理し、お客様にご満足していただく
ことに尽きる。
「競走馬を所有し、レースで走らせ、愛馬の勝利の瞬間を味わう」……そのための金の卵を発掘する場がセレクトセールであり、既に愛馬を選ぶところから、馬主様としての楽しみは始まっている。
セール終了後は、協会理事者の意向を受け実務者が集まり、各部門の業務のあり方を反省し新たな改善策を講じ、翌年のセールの中で実践していく。来年20回の節目を迎えるセールに、今年の反省も踏まえてしっかりと臨んでいきたい。

 大盛況に終わったセレクトセールだが、ひとつ気がかりな点を挙げれば、日高産馬、特に当歳部門が例年にも増して苦戦したことがある。1歳まで成長を見極めて産駒をチョイスしたい購買者の方々と、当歳馬売りに傾注する日高の上場者の方々との間で、需要と供給に多少のミスマッチがあったようにも思える。1歳馬の方はまずまずの水準だっただけに、当歳部門の落ち込みについては、状況を分析し来年度へ向けての課題として取り組んでいきたいと思う。

遠藤 幹

※このコラムは、(社)日本競走馬協会の会報に掲載されている「日高便り」を、協会の許可を得て掲載したものです。